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Red cat の数学よもやま話・新装開店

はてなダイアリー「Red cat の数学よもやま話」から徐々にこちらに移行していきます。

Möbius 関数の Dirichlet 母関数(その 1)

母関数ネタの締めに, Möbius 関数の Dirichlet 母関数なるものを求めてみたい. 今回はそのための準備.

正の整数を引数とする関数 {f}
{f(1) = 1, f(m_1 m_2) = f(m_1)f(m_2)\ (m_1\perp m_2)}
を満たすとき, {f}乗法的であるという.

{\displaystyle g(m) = \sum_{d\backslash m}f(d)}
なる関係式があるとき, {f} が乗法的ならば明らかに {g} も乗法的であるが, 実はその逆が成り立つ. 実際 {1 = g(1) = f(1)} が成り立つから, 帰納法の基底は成り立つ.
{m\gt 1} とし, {m_1\perp m_2, m_1 m_2\lt m} ならば {f(m_1 m_2) = f(m_1)f(m_2)} が成り立っているものとする.
{m_1 m_2 = m} のとき
{\begin{align}
g(m_1 m_2)
 &= \sum_{d\backslash m_1 m_2}f(d) \\
 &= \sum_{d_1\backslash m_1}\sum_{d_2\backslash m_2}f(d_1 d_2) \\
 &= \sum_{d_1\backslash m_1}\sum_{d_2\backslash m_2}f(d_1)f(d_2) - f(m_1)f(m_2) + f(m_1 m_2) \\
 &= g(m_1)g(m_2) - f(m_1)f(m_2) + f(m_1 m_2)
\end{align}}
であり, {g(m_1 m_2) = g(m_1)g(m_2)} であることから {f(m_1 m_2) = f(m_1)f(m_2)} が導かれる.

さて, Möbius 関数 {\mu(m)}
{\displaystyle \sum_{d\backslash m}\mu(d) = [m = 1]}
で定義する. この式の右辺は明らかに乗法的であるから, Möbius 関数も乗法的であることがわかる.