Red cat の数学よもやま話・新装開店

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楽しい圏論(その 10)

明けましておめでとうございます. 本年も当ブログをよろしくお願いいたします.
年の初めも圏論だよ !

積は極限である

函手 {F : J = \{1, 2\}\to C} を考えます({\{1, 2\}} は離散圏). 対角函手 {\Delta : C\to C^J} から {F} への普遍射を \langle l, \pi\rangle とします.

{t : \Delta c\to F} を自然変換とするとき, 次図が可換になるような射 {t' : c\to l} が存在します.

{c_i := Fi} と置いてこの状況を書き直すと

これは圏論で良く知られている積の図式じゃありませんか !

終対象は極限である

もっとシンプルな場合として {J = \mathbf{0}} (空圏)と考えると, ただ一つの函手 {F : \mathbf{0}\to C} の極限は終対象であることが分かります.

イコライザは極限である

もう少し入り組んだ例を見てみましょう. {J = \downdownarrows} として状況を書き換えてみます.

これはイコライザ(差核)ですね !