Red cat の数学よもやま話・新装開店

はてなダイアリー「Red cat の数学よもやま話」から徐々にこちらに移行していきます。

ヘンテコ指数方程式

方程式 x^{x^5} = 100 を解け.

ツイートの画像は英語が正しいか怪しいので日本語で書き直します(苦笑).

y = x^5 とおくと x = y^\frac15 なので, 方程式は
y^\frac{y}{5} = 10^2
と書き直せます. 両辺を5乗すれば y^y = 10^{10} となるので y = 10 です.

つまり x^5 = 10 なので x = 10^\frac15 です.

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固定ツイート問題の解答

立方根を外すときの常套手段で, とりあえず
x = \sqrt[3]{170 + 78\sqrt{3}}, y = \sqrt[3]{170 - 78\sqrt{3}} とおきます.

x^3 + y^3 = 340 はすぐにわかります.

\begin{split}
xy &= \sqrt[3]{170^2 - 78^2\cdot 3} \\
   &= \sqrt[3]{28900 - 18252} \\
   &= \sqrt[3]{10648} \\
   &= \sqrt[3]{8\cdot 1331} \\
   &= \sqrt[3]{22^3} = 22.
\end{split}

x^3 + y^3 = (x + y)^3 - 3xy(x + y) と変形して (x + y)^3 - 66(x + y) = 340 です.

t^3 - 66t -340 = (t - 10)(t^2 + 10t + 34) で, x + y は実数ですから x + y = 10 となります.

したがって x, y二次方程式 s^2 - 10s + 22 = 0 の解で, 特に x はそのうちの大きい方です. 実際に解くと s = 5 \pm \sqrt{3} となるので x = 5 + \sqrt{3} となります.

固定ツイート問題の解答

x^x = \dfrac{1}{\sqrt{2}} を解け.

まず, 方程式 x^x = a (\gt 0) が解を持つ条件を調べてみます.
y = x^x とおくと \log y = x \log x です. 両辺を x について微分して
\dfrac{y'}{y} = 1 + \log x
となるので y' = x^x (1 + \log x) となり, x = \dfrac{1}{e} のとき最小値 e^{-\frac{1}{e}} = 0.6922\dots となります.

\dfrac{1}{\sqrt{2}} = 0.707\dots ですから, 与えられた方程式は解を持つことはわかりました. ただし方程式 x^x = ae^{-\frac{1}{e}} \lt a \lt 1 の範囲では解を二つ持ちます. それはグラフからもわかります. 今は a = \dfrac{1}{\sqrt{2}} = \left(\dfrac12\right)^\frac12 を考えていますから, 解の一つは x = \dfrac12 です.

解の一つは x = 1/2

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無理方程式を解く

方程式 \sqrt{x + 5} + \sqrt{20 - x} = 7 を解け.

一般的(?)な解き方は下記動画にて紹介されています.


www.youtube.com

ここでは少し違うアプローチをしてみましょう.

t = \sqrt{x + 5} と置きます. このとき x = t^2 - 5 です. これを元の方程式に代入すると

\begin{split}
t + \sqrt{25 - t^2} &= 7 \\
    \sqrt{25 - t^2} &= 7 - t \\
           25 - t^2 &= (7 - t)^2 \\
                    &= 49 - 14t + t^2
\end{split}

となり, 整理すると 2t^2 -14t + 24 = 0, すなわち t^2 - 7t + 12 = 0 という t についての二次方程式を得ます. これは (t - 3)(t - 4) = 0因数分解できますので, t = 3, 4 となります. それぞれの t の値に応じて x = 4, 11 と答が求まります.

Fleet 問題の解答

x^{14} + x^7 + 1 を(有理係数の範囲で)因数分解せよ.

これは過去に数検1級の問題として出題されたものの変化バージョンです. *1

この形のままだと何を因数に持つか分かりにくいので, 一旦 x^7 - 1 を掛けてみます.

(x^7 - 1)(x^{14} + x^7 + 1) = x^{21} - 1

となります. ここで右辺は 1 の 3 乗根を根に持ちますが, 1 以外の 3 乗根(原始 3 乗根)は x^7 - 1 の根にはなりません.
したがって x^{14} + x^7 + 1 が 1 の原始 3 乗根を根に持つことが分かるので, x^{14} + x^7 + 1x^2 + x + 1 で割り切れることが分かります. 後はひたすら計算するだけです.

*1:実際に出題されたときは実数係数の範囲で因数分解せよ, という問題でした

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